2022.06.30
高齢者のためのバリアフリー住宅とは?具体例や補助金制度を紹介美味しく・楽しく・健康に!高齢者の食事で意識したい3つのポイント
ひとが健康に生きるうえで食事は欠かせないですよね。
特に高齢者には、栄養摂取以外にも日々の生活に潤いを与える役割もあり、とても大切な意味合いを持ちます。
しかし、加齢が進むにつれて食事を楽しむことが難しくなってしまうのです。
今回は、高齢者に適した一日の食事量や、加齢とともに食事量が減ってしまう理由、食事をたのしむ工夫などをご紹介いたします。
毎日の食事をたのしく、生活に欠かせない時間にしましょう。
高齢者に必要な食事量はどれくらい?
高齢者に適した一日の食事量をご存知ですか?
高齢になるにつれて一日に必要な摂取量は減少します。
以下は、一日ほとんど座っている方や、日常生活レベルで体を動かしたり軽い運動を行ったりする方が一日あたりに必要なエネルギー量です。
男性:65歳〜74歳は2,050~2,400kcal (カロリー)、75歳以上は1,800~2,100kcal
女性:65歳〜74歳は1,550~1,850kcal、75歳以上は1,400~1,650kcal
ただし、筋肉量を維持するうえで必要な栄養素であるたんぱく質は若い頃と変わらず、男性60g、女性50gを一日の目安として摂取することを推奨します。
なかなか食事が進まない原因は?高齢者によくあるお悩み
高齢者にとって食事は栄養摂取や一日の楽しみという目的があり、大切なルーティーンです。
しかし老化により、思うように食事が進まないという方も少なくありません。
具体的にどのような原因が考えられるのでしょうか?
食欲がなくなる
まず考えられる理由は食欲の低下です。
食欲の低下は、老化による味蕾(※1)の減少や、薬の副作用によって味覚が鈍くなることが原因と考えられます。
※1 味蕾(みらい)とは、口腔内にある味覚を感知する部位のことです。
美味しいと感じにくいのであれば、食事への楽しみが減ってしまいますよね。
味覚の鈍化に加えて、近年問題となっている孤食も高齢者の食欲を失う原因となり、食事量の低下につながってしまっています。
咀嚼する力が弱くなる
咀嚼力(噛む力)が低下していることも食事量が減少する原因です。
歯の本数の減少や顎の筋力の低下によって、咀嚼力は低下します。
咀嚼力が低下すると、食欲を感じさせてくれる満腹中枢を刺激しにくくなったり、消化酵素の分泌量が減り食べ物の消化に時間がかかったりするため、満腹の状態がつづいてしまいます。
また咀嚼力の低下により食べ物を噛む力が弱まると、硬い食べ物よりも軟らかいものを好んで食べるようになるため、ますます咀嚼力が老化していくという悪循環にも繋がるのです。
咀嚼力の低下は空腹を感じにくくさせてしまい、さらに噛む力も弱めてしまいます。
飲み込む力が弱くなる
食事量減少には、飲み込む力が弱くなっていることも原因として考えられます。
加齢に伴い筋力が低下してしまうため、飲み込む力も弱まります。
唾液の分泌量も減少しているため、食べたものを口の中でまとめられなくなり余計に飲み込むことが難しくなります。
さらに飲み込む力が弱くなると、食事量の低下だけでなく、食べた物が食道ではなく気管に入ってしまう誤嚥(ごえん)も起こしやすくなるため危険です。
高齢者の食事で意識したい3つのポイント
加齢に伴う変化によって、高齢者の食事は食事量が減ってしまいがちであることが分かりました。
では、食事量を減らさないために意識したい3つのポイントをご紹介いたします。
たのしく健康的な食事で、老後も元気に過ごしましょう!
みんなで食事!共食で食欲UP
人と食事をともにすることで、楽しい食事時間をおくるようにしましょう。
記事の冒頭でも、近年問題視されているとして触れた孤食。
農林水産省が平成30年3月に調査した「食育に関する意識調査報告書」によると、一人で食べることがある人の割合は60代では男性22.7%、女性28.4%、70代では男性20.0%、女性33.5%となっています。
60代以上の高齢男性の約2割、女性は約3割が孤食であることがわかりますね。
毎日1人での食事が続くと、調理をする意欲が低下するだけでなく、同じメニューが続くことでの食事の偏りや食事回数が減ることがあります。
食事は人と食べるほうが楽しい時間となり、食べ物がより美味しく感じられます。
「共食」は、健康で規則正しい食生活に関係していることが農林水産省の資料にも書かれています。
参照:共食をするとこんないいこと – 農林水産省
本来食事で大切なことは「楽しく食べること」なので、家族や友人、近隣の人たちとの共食や地域の食事会などへ参加するようにして、日々の食事を楽しく過ごしましょう。
そのほか、料理に香りを付けたり、盛り付けの彩りを意識したり、季節感のあるメニューを取り入れたりすると食欲増進にもつながり、食事のたのしみが増えるのでおすすめです。
不足しがちな栄養素は意識して摂取
不足しがちな栄養素は、意識して摂取することを心掛けましょう。
高齢者は噛む力が衰えてくることで、肉や野菜など硬い物や繊維質の物が食べられなくなります。
そのためパンやお茶漬け、麺類など手軽に食べられる食事が増えるので、カルシウムやタンパク質、ビタミン、ミネラル、食物繊維といった栄養素が不足しがちに。
上記のような栄養素は、意識的に取り入れるようにしましょう。
調理方法や食べる物を工夫するだけで食べやすくなります。
食材を食べやすくするひと工夫
必要な栄養素を摂取するために、調理方法や食べるものを工夫して食事しやすくしましょう。
たとえば肉や野菜は一口サイズにカットしたり、ミキサーにかけたりすることで噛みやすくなります。
またトロトロになるまでじっくり煮込んだり、とろみ剤やコーンスターチなどでとろみをつけたりすることで、飲み込みやすなります。
他にも、タンパク質の摂取を肉ではなく豆腐や豆類で補うなど、食べやすい食材で栄養を摂取する工夫もあります。
ひと工夫を加えるだけで食べやすくなり普段の食事が楽しみになるので、色々な工夫方法を調べましょう。
高齢者が食べやすい食品・食べにくい食品
高齢者が食べやすい食品と食べにくい食品を以下の表にまとめました。
以下を参考に、食べやすい食品は積極的に栄養を摂り入れるようにして、食べにくい食品は調理方法を工夫しながら意識的に摂取するようにしましょう。
◎高齢者が食べやすい食品の特徴と例
特徴 | 例(食材や食品) |
---|---|
おかゆ状 | おかゆ、パン粥 など |
ミンチ状 | つくねやつみれなど柔らかい肉団子、ハンバーグ など |
ゼラチンで固められたゼリー状 | カップゼリー、ウィダーゼリー、水ようかん、煮こごり など |
冷やして固められたプリン状 | プリン、ムース、具なしの茶碗蒸し、卵豆腐 など |
とろとろに煮込んだ液状 | シチュー、カレー、ポタージュスープ など |
液状または溶けやすい乳製品 | (飲む)ヨーグルト、アイス など |
果実を擦りおろしたもの | NECTAR(ネクター)のジュース、ピューレ、缶詰の果物をミキサー状にしたもの など |
とろろ | 擦りおろしたとろろいも |
◎高齢者が食べにくい食品の特徴と例
特徴 | 例(食材や食品) |
---|---|
硬い生野菜 | きゅうり、レタス、にんじん、プチトマト など |
繊維がのこる野菜や果物 | ごぼう、セロリ、たけのこ、もやし、青菜の茎部分、水菜、パイナップル、梨 など |
スポンジ状 | 凍り豆腐 |
練りもの | はんぺん、がんもどき、 など |
酸味が強いもの | 柑橘類、酢の物 など |
弾力が強いもの | パン、スパゲッティ、ラーメン など |
噛みにくいもの (硬い、薄い) |
煎餅、厚みのある肉、りんご、薄切り肉、フライなどの衣 など |
まとまりがないもの (ぼそぼそ、パラパラしている) |
そぼろ、焼き魚、チャーハン、お茶漬け、粉ふき芋、蒸かし芋 など |
喉に詰まらせやすいもの (口の中に張りつく) |
海苔、わかめ、青菜などの葉物、きなこ、こんにゃく、餅 など |
さらさらとした液状のもの (口の中でまとまりにくい) |
水、お茶、お味噌汁、澄まし汁などの水分 など |
グランメゾン迎賓館の、季節感溢れる彩豊かな食卓
高齢者にとって食事は健康を維持するためにとても大切ですが、加齢とともにどうしても食事をすることが難しくなってしまいます。
食べる環境や調理方法、食材を工夫することで、毎日の食事をたのしみながら健康に過ごしましょう。
グランメゾン迎賓館シリーズでは、食材の彩りや季節感を大切にした五感で楽しめるメニューをご用意しています。
味覚だけでなく、視覚・嗅覚・触覚・聴覚つかって食事をたのしむことで、より美味しい食事をすることができるのです。
また入居者の状態によってお粥や治療食・嚥下食(えんげしょく)などをメニューを変え、一人ひとりに合わせた食事をご用意。
2021年10月に新しくオープンした「グランメゾン迎賓館豊中刀根山」は、食と運動による健康寿命延伸を目指す住まいをコンセプトにしており、健康に暮らしたい元気なシニアにおすすめのサービス付き高齢者向け住宅です。
グランメゾン迎賓館専属のシェフが、腕によりをかけてつくる美味しくて健康的な料理をいっしょに住む仲間たちと共にたのしみませんか?
気になることがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
>>グランメゾン迎賓館へのお問い合わせはこちら
監修者情報
- 運営会社
- 株式会社ジェイ・エス・ビー
- 住所
- 〒600-8415 京都府京都市下京区因幡堂町655番地
- お問い合わせ
- TEL:075-353-7753 FAX:075-353-7754
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