2022.08.30
高齢者が入浴する時の注意点とは?お風呂に入るメリットや介助用品も紹介高齢者が陥りやすいフレイルとは?予防の鍵を握る『こころの健康』
フレイルとは、加齢により心身が弱ってしまい、介護の前段階に陥ってしまう状態です。
そのまま放置してしまうと、介護が必要となる場合があるフレイルは、早期発と適切な予防がカギ。
適切にケアすれば、元の健常な状態へと戻ることも可能です。この記事では、フレイルの主な原因や症状、そしてフレイルの予防に重要なポイントを詳しくご紹介していきます。
フレイルをできる限り予防して、健康寿命をしっかりと伸ばしていきましょう。
目次
フレイルとは
フレイルとは健康と要介護・寝たきりの中間のことを指し、加齢によって心身が衰えてしまい、社会とのつながりが著しく減少した状態のことをいいます。
フレイルは、海外の高齢者を対象とした医学「老年医学」の分野で使用されている、「虚弱」や「老衰」をあらわす英単語「Frailty(フレイルティ)」が語源となっています。
フレイルとは、要介護状態へと進む可能性が高い症状ですが、早期に発見し、正しい予防や治療を行えば、健常な状態へと戻ることも可能だといわれています。
フレイルの基準
「体重減少」「筋力低下」「疲労感」「活動量の低下」「歩行速度の低下」の5つの項目の内、3項目が該当した場合はフレイル、1~2項目が該当した場合はプレフレイルと診断されます。
5つのチェック項目のいずれにも該当しない場合は、「健常」もしくは「頑健」と診断され、当面心配はいりません。
上記の5項目以外にも、フレイルとは、身体的な衰えのみならず、「何かするのが億劫になる」という精神面の変化、認知の衰え、歯や口の衰え、閉じこもりがち、人付き合いの減少などの問題も含んでいます。
フレイルになると起こる症状
前述の通り、フレイルとは、認知機能や身体能力が著しく低下した状態を指します。
最終的には死亡率が高くなってしまうことも。
また、ストレス耐性も高くなっているため、心身にダメージを受けた際の回復が遅くなる可能性もあります。
さらに、身体能力や免疫力も低下しているため、風邪をこじらせて肺炎になる、転んだだけで骨折するなど、病気や寝たきりになりやすくなるので注意が必要です。
ちょっとしたケガや病気が命取りになる可能性が高いフレイルには、適切な予防が必須だといえます。
フレイルの3つの原因
フレイルとは、「身体的要因」「心理的・精神的要因」「社会的要因」の3つの要因が原因となって引き起こされる症状だと考えられています。
加齢に伴う心身の衰えや環境の変化など、さまざまな要因が重なり合うことで、フレイルが発症してしまうのです。
フレイルを予防するには、まずフレイルの原因について詳しく知っておかなければなりません。
ここからは、フレイルを引き起こす3つの要因について、それぞれ詳しく解説していきます。
身体的な要因
身体的に弱ってしまうことが、フレイルの要因のひとつだといわれています。
具体的には、「ロコモ」と呼ばれる運動器の障害で、歩行など日常生活に支障をきたしてしまう、噛んだり飲み込んだりする力が低下して、慢性的な低栄養状態になってしまう、などのケースが挙げられるでしょう。
特に高齢になると、活動量が減少して、運動不足に陥りやすくなります。
その結果、筋力や持久力、体力が低下してしまい、最終的にフレイルを引き起こす可能性が高くなるのです。
心理的な要因
精神的・心理的に衰弱してしまうことも、フレイルの要因のひとつです。
例えば、認知症やうつ、MCIと呼ばれる軽度認知障害などが、具体的な原因として挙げられます。
これらの病気は、目に見えるものではありません。
身体的な要因と比べると、なかなか変化を見抜けないため、発見が遅くなってしまいがちです。
そのため、日頃から、言動や表情に変わったところはないかなど、細心の注意を払っておく必要があります。
社会的な要因
社会的に他の人との関わりが少なくなってしまうことも、フレイルを引き起こす原因のひとつです。
現役時代が終わって、社会との接触が一気に減少してしまうことで気力をそがれ、家に閉じこもりがちになってしまう高齢者は少なくありません。
さらに、他の人たちとコミュニケーションを取る機会がなくなることで社会から孤立してしまい、活力を失ってしまいます。
そして、他者との付き合いがだんだんと億劫になるにつれ、外出などの活動機会が減り、フレイルになってしまうのです。
フレイルの予防には『こころの健康』が特に大切
フレイルとは、社会とのつながりが失われることがきっかけとなって起こる症状です。
社会とのつながりが失われることで生活範囲が狭くなってしまい、その結果、活動量が減少していきます。
さらに、一人で過ごす時間が多くなると、食欲も低下し、「ものを美味しく食べたい」という気持ちが薄れていくことから、口の中の健康にも興味がなくなってしまいます。
そうなると、飲み込む力が衰えたり、歯が失われたりして、ますます食べるのが困難になり、低栄養になってしまうのです。
こうして社会とのつながりがなくなることがきっかけで、ドミノ倒しのように心身の健康が損なわれていき、フレイルが進行し、重症化する恐れがあります。
つまり、フレイルの予防には、体の健康はもちろんのこと、社会参加を通じた心の健康も重要なのです。
できることから社会参加を始めてみよう
フレイルの原因となる精神機能の低下を防ぐ有効策は、積極的に社会と関わり、人と関わること、といえます。
そのためには、色々なことに興味を持って、積極的にチャレンジしていくことが重要です。
社会参加をすることで、新しい出会いが生まれ、気軽に悩みや不安を相談できる友人や仲間を持つことができるでしょう。
高齢者特有のライフイベントともいえる大切な人との死別や病気の発症など、日常で悲しみや不安を感じたときに、その思いを共有してくれる「仲間」は、フレイルを予防してくれる一因となるでしょう。
心身の健康をサポート グランメゾン迎賓館シリーズのフレイル予防の取り組み
フレイルは、放置しておくと、要介護、寝たきりになってしまう恐れのある症状です。
しかし、例え発症したとしても、適切に対処・予防すれば、健常な生活に戻すことができます。
フレイルを予防する三本柱は「運動」「食事」「社会参加」です。
全国で展開している高齢者向け住宅「グランメゾン迎賓館シリーズ」では、入居者を対象にフレイル予防に取り組んでいます。
「運動」「社会参加」では、定期的に入居者対象に介護予防運動を実施。
感染症対策を行ったうえで、インストラクターや他の入居者と交流を図りながら、無理なく楽しく体を慣らす介護予防運動を実施、体力の回復を目指します。
さらに、食事面では、たんぱく質を意識した栄養面をしっかりとサポート。
日常生活の中で、長期的に入居者のフレイル予防の手助けをしている施設です。
このような施設を有効活用することで、フレイル予防に役立つのはもちろん、毎日を充実して過ごすこともできるでしょう。
監修者情報
- 運営会社
- 株式会社ジェイ・エス・ビー
- 住所
- 〒600-8415 京都府京都市下京区因幡堂町655番地
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